◇海にかえった仲間たち◇

人間って奇妙な生き物ですね。
だって、本当は心でつながり合いたいって思っているのに、やってることといったら、その逆のことばっかり――。

エッ、ワタシ――?
ワタシ、カエデ。
バンドウイルカの、こう見えても女の子よ。
「どこから、どうして出てきた」って?
何よ、あなたが、呼んだから出てきたのに、本当に人間って勝手ですね。

さて淡路島の南のはしっこに南あわじ市阿万塩屋町というところがあります。
ここに、お目当ての「淡路じゃのひれアウトドアリゾート」というオートキャンプ場があります。

ただのキャンプ場ではありません。南あわじ大鳴門橋を望む広大なオートキャンプ場で、福良湾に面し、海を漁撈用の網で仕切って海上釣り堀やドルフィン・ファームをつくっているのです。

このドルフィン・ファームに、お目当てのバンドウイルカのカエデちゃんがいます。



上の文章は、そのカエデちゃんがしゃべったもの――

そんなわけはありません。いくら思いの通じる相手だからといって、イルカがヒトの言葉をしゃべるわけはありません。
これはイルカ好きが高じた、僕の妄想の産物です。イルカを擬人化している、というより、僕がイルカ化しているというほうが正解なような気もしますが――。まあ、こんな妄想を思い浮かべるほど、この「じゃのひれ」のイルカたちとの出会いは強烈だったのです。

泳げないにもかかわらず、「ライフジャケットをつけるから大丈夫」とばかり、無謀にもドルフィンスイムを試みたのはいいのですが、案の定、イルカのカエデちゃんに引っ張られながら、水面から顔があげられず溺れてしまうことに……。

その時、頭に水中カメラを装着していたのですが、そのカメラに、溺れる私の周りをカエデちゃんが心配そうに回りながら、私が岸壁に何とかたどり着くまで付き添ってくれていたのが写っていたのです。

時間にすれば一分にも満たない時間でしたが、僕には何時間にも感じられ、そのときのカエデちゃんの心配そうな目と表情が焼き付いてしまいました。

以来、僕は、イルカさんやクジラさんのとりこになってしまいました。
そして集めたのが、このコーナーに並んでいる本というわけです。

あなたのおすすめのクジラやイルカに関する本、ご寄贈ください。お待ちしています。