◇鴨長明さんと仲間たち◇

鴨長明「方丈記」というと、ほとんどの人が、その書名を知っていますが、その内容はというと、
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」

おそらくこの冒頭の一節が、多くの人が知っている「方丈記」のすべてではないでしょうか。
実は、この方丈記という書物、平家滅亡前後の天変地異のルポルタージュと言っても過言ではありません。辻風、大火、地震、疫病、飢饉……その現場を鴨長明がこと細かに見て回り、記録しているのです。
下鴨神社の総宮司の家に生まれながら、父親亡き後の権力争いの中ではじき出されたあぶれ者。後鳥羽上皇の情報収集係でもあり、その後ろ盾で下鴨神社に返り咲こうとするもならず。歌の道を目指すも、藤原定家を超えられず、勅撰集の編纂でも下走り的な役割しか与えられない。心を寄せる女性、建礼門院右京太夫には、歯牙にもかけてもらえない有様。
これが鴨長明のこの世的な姿という訳です。
晩年は仏教に逃げ込もうとしましたが、ここにも救いを見いだせず、破戒僧として、京都は日野の山奥に方丈を建て、そこで一生を終わりました。

そんな長命に関わった人たちをあげますと、まずは、
後鳥羽上皇、藤原定家、建礼門院右京太夫、西行法師、平忠則、仁和寺の僧隆暁、飛鳥井雅経、源実朝といったところでしょうか。
このコーナーでは、鴨長明と、彼に関わった人たちの本を集めています。関係図書をお持ちの方、よろしければご寄贈を願えませんでしょうか?



日野の山奥にある方丈の庵跡(日野の方丈石)